内閣府沖縄総合事務局が那覇市おもろまちに完成した那覇第二地方合同庁舎に移転し、24日から新庁舎で業務を開始した。
衣替えはいい機会である。国家公務員に向ける国民の視線は厳しさを増している自覚の下、これまで以上に県内自治体や県民に親しまれる身近な役所となるよう存在感を発揮してほしい。
業務開始に際し福井武弘局長が職員への訓示で「県民の目線」に立った業務の推進を強調したように、頼れる機関として行政サービスの向上、機能の充実に尽力してもらいたい。
同事務局は、1972年の本土復帰と同時に沖縄の振興開発を推進するための国の総合出先機関として発足した。
重要な役割を担い、行政の守備範囲も幅広く、業務は多岐にわたる。ダム、道路、港湾などの社会資本整備から産業の振興、暮らしや県民生活の関係では消費者相談室も設けている。その割には一般県民からの距離は遠いのが実態ではないか。
市町村役所とは確かに性格を異にする。窓口に出向いて住民票や印鑑登録など各種の申請書類を扱うような役所ではない。そうした事情が一因ではあろうが、それにしてもの感はぬぐえない。
「存在感が見えにくい。埋没しているような気がして…」。再び沖縄に赴任して感じた同事務局を取り巻く変化への戸惑いを訴えた幹部の言葉である。戸惑いは理解できるが、自ら住民に懐や足元まで降りていく姿勢があったかどうか、疑問なしとしない。
その意味で1階に行政情報プラザを設置したのは歓迎できる。大型テレビやパソコンを置き、県民に行政情報を提供する試みである。欲を言えば、もっと早めにやれば良かったものを、と注文を付けたいところだが、積極的に対応に出たのは前進だ。
新作かりゆしウエア展示会など企画も予定しているが、この際かりゆしウェアを全国に広める拠点を目指してはどうか。伝統的工芸産業も数多い。中小企業支援業務にもかなっている。
(琉球新報 2008年3月25日 社説)